FX取引を考える際、国内のFX業者と海外のFX業者のどちらを選ぶかは大切な判断点です。
国内FXは金融庁の管理下で安全に取引できますが、レバレッジなどに制限があるため、大きな利益を得るのは難しいかもしれません。
一方、海外FXでは高レバレッジを利用して効率的に資金を増やすことができますが、不正な業者に当たるリスクもあります。
この記事では、国内FXと海外FXの安全性や取引条件、コストの面から詳しく比較し、どちらがあなたに適しているかを説明します。
■安全性 /「国内FX」が安全
国内FXは金融庁の監督下にあるため、どの業者も一定の安全基準を満たしています。
これにより、顧客資産の安全や運営の透明性が保たれ、資金の不正使用などの心配がほとんどありません。
一方で、海外FXは金融庁の規制を受けていないため、安全性は業者によって大きく異なります。
中には資金を持ち逃げするような悪質な業者も存在するので注意が必要です。
ただし、英国FCAやキプロスCySECなどの信頼できるライセンスを持つ業者もありますので、業者選びにはこれらのライセンス情報をチェックすることが重要です。
■資産の保全 /「国内FX」が安全
国内FX業者は、顧客から預かった資金を信託銀行に信託する「信託保全」という制度を徹底しています。
これにより、業者が経営破綻しても顧客の資金は安全です。
一方で、海外FX業者の資金管理は各社の方針に委ねられており、法的な義務はありません。
そのため、海外FX業者を利用する際は、業者の資金管理体制を確認することが非常に重要です。
■レバレッジ /「海外FX」が広い
日本でのFX取引では、レバレッジが法律により最大25倍に制限されているため、投資家が過大なポジションを取るリスクが制限されています。
これにより、損失リスクがある程度抑制されています。
一方で、海外FXではレバレッジの上限が設けられていないため、200倍から1,000倍といった高いレバレッジを提供している業者も多いです。
高レバレッジを活用すれば大きな利益が望めますが、同時に大損するリスクも増えるため、十分な注意が必要です。
■取引での透明性 /「海外FX」が解りやすい
海外FXの多くの業者は「NDD方式(No Dealing Desk)」を採用しており、顧客の注文を業者が内部で処理せず、直接取引所へ送る方法です。この方式により、取引の透明性が高く、業者による注文の操作が排除され、約定拒否が少なくなります。
一方、国内のFX業者は主に「DD方式(Dealing Desk)」を採用し、顧客の注文を業者が一旦処理する方式です。
この場合、業者が注文を市場に出さずに自ら吸収することがあり、透明性が低くなる場合があります。また、一部の業者では不正にレートを動かす行為も発生することがあるため、業者選びには注意が必要です。
■約定 /「海外FX」が高い
海外FX業者は、NDD方式を採用していることが多く、このため注文が希望通りの価格で成立しやすく、約定力が高いです。NDD方式では業者が間に入らないため、約定拒否のリスクも低いです。
反対に、国内FX業者はDD方式を採用しており、業者が注文の仲介をするため、約定力はNDD方式ほど高くありません。
急な市場の変動がある時には、注文価格と異なる価格での取引が成立する可能性があり、特に大きな変動の際には十分な注意が必要です。
■追証 /「海外FX」が安全
国内FXでは、証拠金維持率が一定レベルを下回ると、トレーダーに追加の証拠金(追証)の支払いが求められます。
相場の急動によって証拠金が足りなくなった場合、追証を支払わないとポジションの維持ができなくなります。
また、口座残高以上の損失が発生すると、その分も追証として請求されるリスクがあります。一方で、海外FXの多くはゼロカットシステムを採用しており、取引で発生したマイナス分を業者が補填し、口座残高をゼロにする仕組みです。これにより、トレーダーは口座残高を超える損失に対する心配から解放されます。
■少額取引 /「海外FX」が有利
海外FX業者の中には非常に小さな取引単位を許容しているところがあります。1例として海外FX業者のマイクロ口座では、最小10通貨(MT5では100通貨)から取引が可能です。
これに対し、国内FX業者の多くは最低取引単位を1,000通貨や1万通貨に設定しています。
したがって、少ない金額で取引を始めたい場合は、海外FXが有利な選択肢となるかもしれません。しかし最近では、国内FX業者の中にも最低取引単位を1通貨に設定しているところも出てきており、この点での海外と国内の差は縮まりつつあります。
■取引スプレッドとコスト / コストは「国内FX」 – スプレッドは「海外FX」
日本のFX業者は、売値と買値の差であるスプレッドを狭く設定しています。
これは特に日本円ペアにおいて顕著で、DD方式を採用する業者が負けトレーダーからの収益を活用してスプレッドを縮め、新規顧客を獲得も目的となっております。
一方、海外FX業者はNDD方式を取っており、業者の利益をスプレッドに上乗せするため、国内業者に比べてスプレッドが広めに設定されています。
取引コストを抑えたい場合は、国内FXが適していますが、円ペア以外の通貨ペアでは海外FXが安い場合もあります。
また海外FX業者選びによっては、国内FXと同様の低スプレッドで取引することが可能です。
■自動売買 /「海外FX」が有利
海外FXでは、MT4やMT5といったプラットフォーム上で動作するエキスパートアドバイザーを用いた自動売買が一般的です。
EAを設定すれば、トレーダーは24時間売買を継続でき、自身でのチャート分析やポジション管理が不要になります。
対して、国内のFX業者では、自社の取引ツール上でのEA利用はできず、主に手動取引が行われています。自動売買を望む場合、国内では別システムをAPIで接続するなどの高度な対応が求められ、海外FXに比べてアクセスの敷居が高くなっています。
■入出金 /「国内FX」が安全
国内のFX業者は、国内金融機関との連携によって振込を通じた入出金が主要な手段となっています。
この方法は大半が無料または少額の手数料で利用でき、資金が迅速に反映されることがメリットです。
しかし、海外FX業者の場合、振込による入出金にもかかわらず、国内FXより時間がかかることが多く、手数料も高いことがあります。
したがって、入出金を頻繁に行うトレーダーには、国内FXがより適しています。
■特典ボーナス等 /「海外FX」が豊富
海外FX業者は、口座を開設するだけでボーナスがもらえたり、入金に応じてボーナスを提供することが多く、これにより自己資金が少なくても、あるいは無くても取引を始めることが可能です。
しかし、国内FX業者では、提供されるボーナスやキャンペーンの金額が限られており、ボーナスを得るには一定量の取引が必要となることが多いです。
そのため、実際には自己資金がなければ取引を始めるのが難しい場合があります。
■海外FXは「MT4」「MT5」が利用者が多い
海外FX業者の多くは、MetaTrader(MT4やMT5)といった広く使用される取引プラットフォームを採用しています。
これらのプラットフォームは、様々なインジケータや自動売買システム(EA)の利用が可能で、多くのユーザーがいるため、情報やカスタマイズの面で困ることはありません。
対照的に、国内FX業者では独自に開発した取引ツールが主流で、MT4などの一般的なツールの使用はあまり普及していないのが現状です。
自分に合った取引環境を求める場合、経験者には海外FX、初心者には国内FXが向いていると言えます。
■出金トラブル / 「海外FX」では稀にある
海外FX業者を利用する際には、出金申請に対して期日内に反映されない、または出金が拒否されるといったトラブルの報告が散見されます。
特に管理が杜撰で資金状況が不安定な業者では、このような問題が発生しやすいです。
時には経営が安定しているように見える業者でも突然出金トラブルを起こすことがあり、予期しづらい状況もあります。
これに対し、国内FX業者は金融庁を始めとする規制機関の厳しい監督下にあり、出金に関するトラブルは、2020年代では、ほとんど報告されていません。
■サポート体制 / 「国内FX」の方が手厚いことが多い
国内FX業者では、トレーダーが困った際に迅速に対応できるよう、24時間365日日本語での電話やチャットサポートが用意されています。
これに対して海外FX業者も日本語サポートを提供し始めていますが、多くの場合メールを中心としたサポート体制で、即時対応が難しいことがあります。
日本語のサポートがない業者では、全て英語での対応となるため、言語の壁が気になる場合は国内FX業者の利用がおすすめです。
しかしながら、最近では海外FX業者も日本語チームがしっかりしてることも多く、業者によっては同等かそれ以上のサポートもある業者もあります。
■税制のサポート /「国内FX」が安全
国内FXでは、得た利益に対して分離課税制度が適用され、税率は一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です。
一方、海外FXでの利益については、所得税が5%〜45%と年間の所得額に応じた税率が適用され、住民税としてさらに10%が加わり、最大55%の税金がかかります。
また、国内FXでは3年間の損失繰越が可能ですが、海外FXではこのような控除は認められていないため、利益が出た年には適切な納税資金を準備する必要があります。
■「国内FX」「海外FX」のメリットとデメリット
国内FXのメリット
安全性が高い:金融庁の規制下にあり、安全性が高い。
スプレッドが狭い:特に円ペアのスプレッドが狭く設定されている。
入出金がしやすい:銀行振込を中心に、手数料が安いか無料。
手厚いサポート:24時間365日の日本語サポートがあり、迅速な対応が可能。
損失繰越控除:最長3年間の損失繰越が可能で、節税に有利。
信託保全:FX業者の破綻時でも資産が保全される。
税制面で有利:利益に対する税金が一律20.315%で、損失繰越が可能。
国内FXのデメリット
レバレッジが低い:最大レバレッジは25倍まで。
取扱通貨ペアが少ない:円ペア以外の取り扱いが限られている。
MT4・MT5非対応:主に自社開発の取引ツールを使用。
追証のリスク:自己資金以上の損失を抱える可能性がある。
キャンペーンが少ない:海外FXほどの高額ボーナスは期待できない。
自動売買に制限:EAの利用ができない。
約定拒否の可能性:DD方式のため、不利な注文が通らないことも。
海外FXのメリット
レバレッジが高い:1,000倍以上のハイレバレッジを提供する業者もある。
追証がない:ゼロカット制度採用により、自己資金以上の損失を抱える危険性がない。
取扱通貨ペアが多い:多様なマイナー通貨やCFD商品の取扱い。
MT4・MT5対応:広範なインジケータやEA利用が可能。
少額取引が可能:マイクロ口座で10通貨から取引が可能。
手厚いボーナス:口座開設ボーナスなどで元手ゼロからトレードが可能。
自由な取引:自動売買やスキャルピングに制限が少ない。
海外FXのデメリット
金融庁の規制外:トラブル発生時に日本の法的保護を受けられない。
出金トラブルの可能性:出金遅延や拒否の事例がある。
日本語サポート非対応の業者もあり:英語対応が必要な場合も。
手数料・スプレッドが高い:国内FXより取引コストが大きいことがある。
入出金手続きが煩雑:時間や手数料がかかることも。
税負担が重くなる可能性:累進
■国内FXと海外FXを両立させる、また併用のメリット
国内FXと海外FXを併用することで、リスクとリターンを適切に管理できます。
国内FXはレバレッジが制限されているため、安定した取引が行え、主要な資金運用に適しています。
対して海外FXでは、高いレバレッジを利用し、少ない資金で大規模な取引が可能です。
国内FXで主要通貨ペアを取引し、海外FXでマイナー通貨やCFDなどを扱うことで、投資の幅を広げることができます。
口座を分散させることで、リスクを軽減し、万が一のトラブル時の損失を抑えることができます。
また、国内FXの税率が一律20.315%であるため、適切な取引の割合を考慮することで全体の税負担を減らすことが可能です。
さらに、国内FXでは過去3年間の損失繰越が可能なため、税金の面でも有利です。
この記事についての総括
国内FXは安全性が高く、サポートが充実しており、税制面でも有利です。対して海外FXは、レバレッジの高さや多くの商品を扱えることが大きなメリットです。
FX初心者は安全性が高い国内FXから始めることをお勧めしますが、海外FXを加えることで取引の選択肢が広がり、リスクや資金の分散も図れます。国内FXと海外FX、どちらを選ぶか、またはどのように組み合わせるかは、個人の取引スタイルやリスク許容度によって変わります。
自分に合った方法を見つけるために、さまざまなアプローチを試してみましょう。本ブログはそのサポートを全力でさせて頂きます。
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